NAGOYA

CITY

MAD BOXXX

名古屋のグラフィティ文化を牽引し続ける、
ストリートアートギャラリー。

自分の周りにいるアーティストたちが展示する場所を作りかった。

栄のメインストリートから裏に入ったエリアを指す”裏栄”とも呼ばれる栄5丁目エリアに、店を構えるギャラリースペース「MADBOXXX」。


店主・あきゆきさんは、かつて岡崎市でクラブの店長として音楽シーンに関わっていた。その経験をもとに、アートの世界へと活動を広げていく中で生まれたスペースだ。20歳前後からグラフィティなどのストリートカルチャーに魅了され、「気づいたら壁塗りを手伝ったりしていた」と話すあきゆきさん。その当時の名古屋には、グラフィティ界隈のアーティストが展示をするギャラリーがなかった。周りから後押しされる声もあり、「誰もやらないなら、自分がやろう」そんな思いで2008年に現在の場所に「MAD BOXXX」は出現する。




  • 取材当日は、通常営業日。展示のない期間は、MAD BOXXX界隈の作家とのコラボしたオリジナルアイテムなどが並ぶショップスタイルに。

  • 名古屋拠点の人気グラフィティライター・ZECSと、韓国のセレクトショップ/ファッションレーベル「balansa」のコラボアイテム。

  • キャップやライター、キーホルダーなど雑貨類もバラエティに富んだラインナップ。

  • MADBOXXXの片隅にいつも置かれているガチャガチャマシーン。当たりくじ付きの企画なども度々行う。

  • ZECS、SQEZらによるグループ展の様子。(写真提供:MADBOXXX)

  • 8年間に渡り、様々なアーティストの展示をしてきたが、信頼できる仲間たちとのコラボレーションを主軸に据えながらも、老舗ラーメン店との共同企画や倉庫を使ったイベントなど、新たな計画もあるという。まさに重要なのは「誰とやるか?」なのだ。

ブレることのない軸。重要なのは「誰とやるか」。

「売れるからやるんじゃない。おもしろいからやる」。あきゆきさんが大切にしていることは、自分が本当に「好きだ」と思えるものに関わること。接客で作家や作品を紹介する際も、自分自身が買いたいと思うかどうかを基準にし、その熱量を来場者と共有することが大事なのだそう。


「MADBOXXX」という名前は、仲の良い先輩でもあるアーティストに名付けてもらったという。真四角の空間に、歪で自由な美学を詰め込んだまさに“狂った箱”。展示が始まると「お疲れっす〜」と作家周りの仲間たちがビール片手に顔を出す。展示をしばらく見て、外でタバコ休憩。そんな光景をよく目にする。これからもこの場所が、名古屋のストリートカルチャーを体現するリアルな現場であり続けてほしい。

店のシャッターは、同エリアでも一際目立つ存在感。次から次へとアーティストがシャッターを一面描き変えていく。まさに、グラフィティの文脈を体現する、「MAD BOXXX」の顔だ。

Photo:RIKA KAWAI
Interview, Text & Edit:TAKATOSHI TAKEBE (LIVERARY)

GUIDE

武部敬俊

武部敬俊

「LIVERARY」/「YOURCITYISGOOD?」編集部

国内のストリートカルチャー/アートシーンの文脈においても外せない場所。
あきゆきくんはいつも電話してます!


編集者。1983年生まれ。これまでさまざまな編集プロダクション、出版社に勤務し編集ノウハウを学ぶ。2013年よりWebマガジン「LIVERARY」を仲間たちとともに始動し、名古屋を拠点にカルチャートピックを日々発信・提案し続けている。メディアの編集・運営のほか、イベントの企画制作、ショップのプロデュース、広告物や物販のグラフィックデザイン、アートワークまでを手掛け、広義における編集者として活動中。2025年、新しい視点を持ったカルチャーシティガイド「YOUR CITY IS GOOD ?」に、企画・編集として参加。

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