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CITY

SPAZIO RITA / DUCT

共鳴する、白と黒の地下空間。

多様な企画を行う、オルタナティブ・スペース。

名古屋・栄でスタートした「SPAZIO RITA」は、アートギャラリーと音楽イベントスペースを兼ね備えた場として、多様なカルチャーを受け入れてきた。


2024年には東別院エリアへと移転し、2部屋構造に。白を基調とした空間はそのまま引き継がれ、展示、DJイベント、トークなど幅広い企画を行っている。一方、新たに加わった黒を基調とした空間には「DUCT」と名が与えられ、それぞれの特性を活かした企画が展開されている。

地下深くに続く階段を降りた先に「RITA/DUCT」がある。

ふたつの空間が生む、循環と拡張

「DUCT」は、真っ黒な空間に小さな音や気配までもが際立つ、感覚の輪郭が浮かび上がる場所。現オーナーがその昔、栄の地下で運営していたクラブ「domina」を彷彿とさせる空間設計となっている。バンドのライブ、DJイベントだけでなく、実験的なインスタレーションやパフォーマンスなどにも用いられている。


「SPAZIO RITA」を展示空間とし、「DUCT」でDJイベントを行うという使い方もこの場所ならでは。展示に静かに向き合いながら、そのすぐ横でパーティーの熱気も感じられる。二つの空間の行き来や連動によって、表現の幅はさらに広がる。


頭上を高速道路が走る大通り沿いではあるが、ひっそりとした空気が漂うビルの地下にある「SPAZIO RITA / DUCT」。この場所から生まれた表現や思考を静かに流れ出し、外の世界へと広げていく”導管”となっている。

  • 決してわかりやすい場所にあるわけではない「DUCT」。イベントの内容にもよるが、比較的感度の高い若者たちが集まる傾向がある。

  • 取材当日は、じわじわと人気が出始めている東京発の3ピースバンド・TEXAS3000によるライブが行われていた。

  • どんな展示にも対応できる「RITA」の真っ白な空間。

  • 「RITA」では、様々な展示、POP UP SHOPなどが開催。こちらは、「ゲットーハウス」と呼ばれていた場所に集団で暮らしていた記録を撮影した、若手写真家の展示(写真提供:熊谷康成

  • ビルの入り口にさりげなく設置されている看板。「DUCT」「RITA」の頭文字を象ったロゴは、金沢出身のアーティストによるものだ。

  • 自身も音楽活動を行う、オーナーのよいちさん。現在の場所へ移転した理由を聞くと、「今でしょ!って感じだったから」とはぐらかす、お茶目な性格。

Photo:RIKA KAWAI
Interview, Text & Edit:TAKATOSHI TAKEBE (LIVERARY)

GUIDE

田辺舞

田辺舞

MAI TANABE(ZEZE)

とにかく強烈な景色を何度も目撃してきました。オーナーのよいちさんも含めて最高の場所です!


愛知県名古屋市出身。18歳で身体を使ったパフォーマンスに興味を持ち、様々な場所で活動を始める。2011年に渡仏し、現地のアーティストや作品に感銘と影響を受け、本格的に踊りという表現方法にのめり込む。様々な企画でのパフォーマンスを続け、東野祥子やNibrollなどの作品にも出演。形態にとらわれないアーティストとダンサーのコラボレーションの場「NOiDANSE」を主催。現在は、voice: 3CHI5 、daxophone:筒井響子と共に「化ける身」としても活動中。料理店「ZEZE」を2023年にOPEN。パートナーでもある音楽家のRAMZAと運営中。


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