NAGOYA

CITY

OPERE

インテリア、雑貨、ZINE……
20代の若き店主が作り出す、刺激の巣窟。

名古屋の街に魅力を感じ、一念発起。

「OPERE」は、2023年5月にスタートした家具と雑貨のショップ。立ち上げたのは長野出身の通称:バンブーさん。大学時代は大阪で過ごしていたが、名古屋には何度も遊びに来ていたという。そこで、街に点在するカルチャーに惹かれ、名古屋での出店を決意。共同創業者であるクンダさんと2人でかき集めた最小限の資金とDIYな施工で店舗をスタートさせた。


バンブーさんは名古屋について、「カルチャーが都心に集中せず、いろんな街に点在しているのが面白い」と語る。栄エリア一極に依存しない構造が、街の豊かさや個性を支えていると感じた彼は、「OPERE」の立地もその思想に呼応するかのように、周りにはカルチャー的要素がない古びた雑居ビルの3階に構えた。「こんな所にこんな店が?」という驚きや偶然性に価値を置く姿勢が、店づくりの根本にある。

バンブーさんが手に持っているのは、象の鼻から花びらが飛び出しそれをキャッチするゲームができるおもちゃ。その他、DVDが見れるテレビ付きの冷蔵庫や、隠し引き出し付きのタンスなど気になるものだらけの店内。訪れるたびに新しい刺激がありそうだ。

店ではなく、共同体としての「OPERE」。

家具の仕入れはバンブーさんが担当。「コミュ力が高くて、僕とは全く違う性格なんです」という相方のクンダは接客を担当する。そんな「OPERE」は彼ら二人の他、店の営業には直接的には関わっていない「OPEREクルー」と呼ばれるメンバーが10名ほどいるのだそう。それぞれの異なるスキルを持ち寄り、時折イベントも開催してきた。「DJとして参加しているアスガル、アトム、ユート。様々な国を転々と旅しながら買い付けしているユーセイという若手スタッフもいます」。


そもそも「家具店という枠組みを超え、ジャンルや世代、趣味を横断する、スクランブル交差点のような場所を目指す」という展望があったと話すバンブーさん。ZINE作りやDJイベントを通じて、年齢もバックグラウンドも異なる人々が自然に混ざり合う状況を彼らなりに作り出そうとしている。


ギリシャ語で「発明する」という意味を持つ「OPERE」。これからも既存の枠にとらわれず、街の文脈とも共鳴しながら、新しいコミュニティのかたちを探る実験は続く。

  • 「OPERE」の目の前には、名古屋で有名な喫茶店「ボンボン」がある。が、いわゆる若者が訪れるようなカルチャー的な場所は周りにはない。

  • 部屋の奥にL字に置かれた棚壁。「ここを背景にして、“Tiny Desk Concert “のようなインストアライブ配信をやりたいんですよね」(バンブー)

  • 「特にイタリア製の明るくポップな家具が好き」というバンブーさん。「空間に入るだけで気分が上がるような色彩やフォルムに惹かれる」という。

  • 中国で買付てきた、謎のカード入れ。他にも電池式で光を放つキャップなど、メイド・イン・チャイナの凄みを感じるアイテムは多数あり。

  • 雑誌やZINEも散見する。中でも「COMET」(写真左)にはかなり影響を受けたそう。自分たちでも早速ZINEを作った(写真右)。

Photo:RIKA KAWAI
Interview, Text & Edit:TAKATOSHI TAKEBE (LIVERARY)

GUIDE

豊田隼仁

豊田隼仁

HANI TOYODA (WANG WANG STORE)

OPEREクルーとは店をやる前から仲良くしていて。
同世代で面白いことをやってるので、すごく刺激をもらっています。


名古屋出身。12歳でマレーシアに留学、のちに渡英し、CASS BUSINESS SCHOOL系列校でマーケティングを学ぶ。2025年、大須に「WANG WANG STORE」をオープン。多国籍な仲間と共に、カルチャーの交差点を創造中。

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