NAGOYA

CITY

EARLY BIRDS BREAKFAST

アメリカの朝の過ごし方を、自分たちの日常に。

「朝食」と「自転車」文化が結びついた、新しい日常のかたち。

名古屋の自転車好きなら知らない人はいない有名店「CIRCLES」の一角にある朝食をメインとした店「EARLY BIRDS BREAKFAST」。元々「CIRCLES」のガレージだったこの空間で、仲間に手作りのご飯をふるまっていたのが現在店主を務めるケイタさん。


きっかけはアメリカへの旅だった。自転車ビルダーを訪ねる傍ら、現地の朝のライフスタイルに衝撃を受けた。友達と朝から集合して、朝食を囲み、パソコン仕事をして、解散する……その時間の使い方は日本ではあまり馴染みのないもので、「食事以上の何か」として彼の心に残った。


そうした体験が、単なるメニュー再現ではない“ライフスタイルの輸入”として、「EARLY BIRDS BREAKFAST」独自のスタイルに結実していく。グレービーソースのかかったビスケットサンドや、卵の焼き方や数も選べるプレート。現地の風味を残しつつ、ローカライズされた料理は、私たちの朝にさりげなく寄り添いながらも、新鮮な気持ちを持たらせてくれる。観光客や外国人客から地元の常連まで、幅広い層が訪れるのも、ここが「食」以上の体験を提供しているからだろう。

  • 店主・ケイタさん。「CIRCLES」代表・田中さんとの出会いから、アメリカでの朝食文化に触れるリサーチ旅を経て「EARLY BIRDS BREAKFAST」を立ち上げた。

  • 「CIRCLES」の入居するビルの一角にあったガレージを改装してできたのが「EARLY BIRDS BREAKFAST」だ。

  • 窓越しにお隣の「CIRCLES」の作業風景を見ることができるのも面白い。

  • 取材時も店内には海外の方がちらほら。「もともと近所に住んでいて常連になったアメリカ人家族がいて帰国しちゃったんですけど、日本に戻ってくる度に必ずご飯を食べに来てくれる。嬉しいですね」とケイタさん。10年以上続けてきた中でいろんなお客さんとのエピソードがあると振り返る。

変わらない日常の先にある、楽しさの持続力。

一方で、外部でのイベント出店も積極的に行ってきた。KAKUOZAN LADERとの共同出店形態「SNEAKS」や、自身で企画・運営を行う「WONDER HOPPER」という自転車のライド旅と、食事を楽しむ1日を通したイベントもスタートさせた。


日々のルーティンを軸にしつつも、常に外側へのチャレンジ精神も忘れないケイタさん。開業から10年以上が経ち、今では「元々親子で来ていた常連さんの子どもが大きくなって、うちのスタッフとしてバイトしてます。地域密着というより、気づいたら地域密着になっていた(笑)」とケイタさんは笑う。「EARLY BIRDS BREAKFAST」が作り出した、名古屋の新しい朝文化をこれからも繋いでいく。

人気メニューの一つ「BREAKFAST PLATE」(写真は、1エッグ、ビスケット、ポテト、ソーセージのセット)。卵はスクランブル・サニーサイド・ターンオーバーから調理法を選べる。また、3エッグまで卵の数を追加することも可能だ。ケイタさん曰く、「1エッグってメニューは日本人に合わせて作りました。アメリカだと3エッグとか普通です(笑)」

Photo:RIKA KAWAI
Interview, Text & Edit:TAKATOSHI TAKEBE (LIVERARY)

GUIDE

NIWA

NIWA

NIWA / KAKUOZAN LARDER

早起きしてアリバで朝ごはんを食べる。それだけで一日が幸せに満ちる。


「KAKUOZAN LADER」店主。名古屋覚王山にあるハンバーガーショップ。若い頃に訪れたNYの飲食店で音楽ライブが行われていた光景に衝撃を受け「人が行き交う場所」を作りたいとオープン。ただのハンバーガー屋ではなく、新しいコミュニティースペースとして数多くのアーティストの展示や、企画、アートグッズの制作・販売を行ってきた。

ITS ALL AROUND YOU Selected by LIVERARY

FEATURE

2