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FEATURE

春の風とともに名古屋の街を走る、楽しむ。
おすすめランニングコースと話題の新店を紹介。

名古屋の景観も楽しめるランニングコースと、大須、名古屋城、栄周辺の新店3軒をピックアップ。

今回の特集記事では、名古屋発のラン・コミュニティ「COMMON LANDSCAPE」メンバーをガイド役に迎え、名古屋の街の走り方と遊び方を特集。


「COMMON LANDSCAPE」は、過去には野外音楽フェス「森、道、市場」とのコラボランニング企画を行うなど、カルチャーとリンクした独自の動きを見せているラン・コミュニティ。現在30名ほどが在籍。

「COMMON LANDSCAPE」メンバーで現在代表を務め、大須エリアにて古着店「Yellow Vintage」を営む小川駿平さんと、同じくメンバーの原ゆいさんの二人と共に「名古屋の街を走るなら?」を考えた。

「どんなルートがいいだろう?」と相談中の原ゆいさん(写真左)と小川駿平さん(写真右)。「BASE LAYER HOTEL」1Fの「MAISON YWE」にて。

今回走るコースは全長10kmを目標に、名古屋の名物スポットも巡ることができ、最近二人が気になっているショップにも立ち寄れる、そんな「YOUR CITY IS GOOD?」ならではのコースに決定。

INDEX

Photo:TOMOYA MIURA

Interview, Text & Edit:TAKATOSHI TAKEBE (LIVERARY)

RUN / AROUND YOUR CITY

①スタート地点「BASE LAYER HOTEL」

まずはストレッチをしてしっかり準備運動。

「BASE LAYER HOTEL」では、この春「New Balance」とのコラボレーション企画として、ランニングウェアやシューズの貸し出しも行うサービス「ROOM 0 by BLH」をスタートさせる予定だ。詳しくは、「BASE LAYER HOTEL」のWEBサイトで。

②「名古屋城」

「BASE LAYER HOTEL」から北へ約1.5km走ると、名古屋の観光名所の一つ「名古屋城」が見えてくる。

外堀沿いに西側からぐるっとまわる走路はおすすめ。堀の豊かな水面越しに美しい石垣、さらに名古屋城も走りながら眺望することができる。

③「名城公園」

「名古屋城」の外堀に沿って、北へ向かうとすぐ「名城公園」へ。走りながら季節の花々も楽しむことができ、名古屋のランナーたちにも人気のスポットだ。

  • 100m毎の距離表示のある、1周約1.3kmのコースもあり。

  • コインロッカー、シャワー、カフェなどが内包された複合施設「tonarino」も2017年にオープンし話題に。

④「中部電力MIRAI TOWER」

「名城公園」を後にし、南へ。古くは「名古屋テレビ塔」として親しまれ、現在も名古屋のシンボルマークのひとつともいえる「中部電力 MIRAI TOWER」



名古屋の街を一望できる、地上90mに位置する屋内展望台「スカイデッキ MIRAI360」や、南北に広がる「HISAYA ODORI PARK」も併せて楽しめるスポットだ。

「ニューバランス名古屋」前を通過し、大須方面へ。

タワーを背に栄の街中へ。10分ほど走ると、特徴的な赤いエントランスの「ニューバランス名古屋」が見えてくる。


足に関する基礎知識とシューズフィッティングの技能を習得したスペシャリスト「シューフィッター」や、ランニングに関するアドバイスをしてくれる「ランニングスペシャリスト」の資格を持ったスタッフも在籍。ランナーたちへの手厚いサポートが嬉しい。

⑤「大須商店街」

古着店、飲食店などが集積し、平日から賑わいを見せる「大須商店街」を颯爽と駆け抜ける二人。

  • 背景に写っているのは、「大須商店街」を象徴する大提灯。

  • 「大須商店街」には駿平くん行きつけの銭湯や、彼が店主を務める古着店「YELLOW Vintage Store」も。

⑥「白川公園」

大須の街を走り抜け、北へ。歩道橋を渡って、広々とした公園とその奥にそびえる巨大な銀の球体が見えてくる。
ゴールの「BASE LAYER HOTEL」まであと少しだ。

この球の正体は、名古屋市科学館のプラネタリウム。内径35mというギネス記録を持った世界最大級のプラネタリウムドームなのだそう。

「BASE LAYER HOTEL」へ無事ゴールイン!

全長約10kmのランニングを終えて、「BASE LAYER HOTEL」に戻ってきた二人。

1F「MAISON YWE 」のゆったりとした空間でアイスコーヒーをいただきながら、二人が所属する「COMMON LAND SCAPE」や、なぜ走るのか?率直にその魅力について聞いてみた。

📍 「MAISON YWE」の紹介記事はこちら
  • 武部

    二人はどのようにして、「COMMON LAND SCAPE」に参加することに?

  • 駿平

    もともと「COMMON LAND SCAPE」は、東京を拠点とするヘアサロン/バーバー「INN THE PEOPLE」代表の岡本佳隆さんという方が、名古屋在住時の2015年に立ち上げたランニングクラブで。最初、岡本さんに誘ってもらって入りました。

  • ゆい

    私はもともと全然走ったりはしてなかったんですが、駿平さんのお店(Yellow Vintage)へ時々遊びに行っていたので「COMMON LAND SCAPE」の話は聞いてました。

    ある日、たまたま銭湯(仁王門湯)の前でちょうどランニング後の駿平さんにばったり会って。「今度、遊びにおいでよ」みたいな感じでグループランに誘ってもらって。そこから、ゆるっと入った感じですね。今では、自分の居場所のひとつって言えるくらいに、仲良くさせてもらってます。

二人が所属するランコミュニティ「COMMON LAND SCAPE」メンバー。

  • 駿平

    頻繁に集まっているメンバーは、僕ら含め5、6人ですかね。フルメンバーだと30人くらい。大きい大会の時とかだけ来るメンバーもいます。

  • 武部

    仲間と一緒に走ると、学びもある?

  • 駿平

    「学び」というより、一緒に走る良さと一人で走る良さって違うんですよね。入りたての頃は、メンバーにいろんな人がいて、それ自体が刺激になったりしましたね。

    「COMMON LAND SCAPE」は、今まで想像していたランニングの価値観と結構違っていて。いわゆるダイエットのためとか、健康志向とかじゃなくて。スポーツというよりも、「カルチャーやコミュニティとしてのランニング」という感じなんです。

  • 武部

    なるほど。ちなみに、走っている時って何か考えごとしてるんですか?

  • 駿平

    仕事のことを考えながら走ることもありますけど、基本は無の状態に近いですね。

  • ゆい

    私は、むしろ何も考えたくないから走ってます。特に一人で走るときは、無になりたいくらい(笑)。

    でも、みんなと走るときは、楽しく喋りながら走ります。会話しながらだからか、気づいたら10kmくらい走っちゃうこともありますよ。

  • 武部

    今日のランコースはまさにそれくらいの距離でしたね。今後も「COMMON LAND SCAPE」の活動は続いていきそうですか?

  • 駿平

    実は、昨年立ち上げからちょうど10年経って、活動の記録をまとめた写真集も記念に出したりして。また、みんなモチベーション上がってると思います。

    ストイックになり過ぎず、「楽しい」を優先してこれからもみんなと走っていけたら、と思ってます。


続いては、「COMMON LANDSCAPE」の二人と巡った、名古屋のニューショップ3軒をご紹介。

MATO OBJECTS STORE

大須からやや南西に向かうと、賑やかな商店街とは打って変わって静かな雰囲気に。ここは「松原」と呼ばれる、もともと花き市場が集まっているエリアだ。フラワーセンターと書かれたビルに、セレクトショップ「MATO OBJECTS STORE」がある。


もともと「BEAMS」での店長経験もあり、豊富な知識と確かなセンスを持った的山大介さんが奥さんと二人で2024年に開業。生活に取り入れたくなる器や雑貨、書籍、そして、「フォークアート」と言われる土地固有の文化から生まれた農具や道具など世界の民芸品が並ぶ。

  • 生み出された地域や時期も違う品々が、不思議と収まりよく同じ空間に共存している。

  • キャッシャーの後ろには、的山さんのプライベートコレクションが棚の上にびっしり。

  • 武部

    器とか雑貨とかは普段から見に行ったりするんですか?

  • 駿平

    僕は、窯元がある街に旅行に行ったりもよくしていて、旅先で器を買って帰ったりします。自炊もよくする方なので、やっぱり器とか欲しくなっちゃいますね。

  • ゆい

    私は器とか見るのは好きなんですけど、駿平さんほど全然詳しくなくて(笑)。 料理ももう少し頑張れるようになったら、ちゃんと選んで買いたいなって思ってます。

駿平くんが気になったという木製の棒?これは一体?

  • 駿平

    こちら気になったんですが、もともと何なんですか?

  • 的山

    これはパキスタンのもので、おそらく古代のスポーツで使われていたものらしいんです。

  • 駿平

    へ〜!スポーツ!?

  • 的山

    ポロ(=馬に乗って小さなボールを競技場の相手のゴールに向けて打ち込み、得点を競うイギリスから広まった競技)とかで使用されている、マレットの原型みたいなものじゃないか?と。

  • 武部

    何かはよくわからないけど、何か惹かれるものがありますね。

  • 的山

    そうなんですよ。そういうものを集めたくなるんです。

2Fは、取材当日は、ガラス作家・小牧広平さんの展示が行われているはず……だったのだが、なんと会期から数日でほぼ売り切れてしまったのだそう。展示がない時は、東京拠点の古書店「LIEB BOOKS」から仕入れた古い書籍や雑誌、的山さんが集めているお気に入りの海外民芸が並ぶスペースになっている。

  • 武部

    仕入れている国はバラバラですか?

  • 的山

    特に限定はしていなくて、いろんな国のものがあります。メキシコとかブラジルとか、南米系が好きですね。原住民の文化というか暮らしの道具とかが好きです。

  • 武部

    なるほど。まるで的山さんのお部屋にお邪魔した感覚になるくらいに「好き」が詰まっていてあちこち気になってしまいます。

    ……ところで、駿平くんさっき気になってたパキスタンのマレットはお買い上げですか?

  • 駿平

    うーん……個人的にはめっちゃ欲しいんですけど、家に帰って彼女に相談してからにします(笑)。

ちなみにこちらのパキスタンのマレットは、持ち手の長さも形もひとつずつ違う一点もの(1本11000円)。

📍 店舗の紹介記事はこちら

「YOUR CITY IS GOOD?」で以前に紹介した「OPERE」もまたよく分からないけど惹かれる雑貨や家具の集積地だった。今回紹介しているランコースからもほど近い距離にあるので、気になる方はチェックしてみて。

📍 OPEREの紹介記事はこちら

スパイスアワー

EARLY BIRDS BREAKFAST「DRUM」など名古屋の人気店での間借り営業や、カレーイベントへの出店などを経て、念願の実店舗を2025年にオープンした「スパイスアワー」。店主は、ジョミさんとカナさん。

笑顔で迎え入れてくれる、ジョミさん(写真左)とカナさん(写真右)。

「うちは、カレー目当ての人もいれば、普通にただお酒を飲みに来るお客さんもいますよ」そう語る二人は、海外でのバックパッカーや料理教室に通った経験を活かし、名物のカレーだけでなく、現地の味にオリジナリティを加えたスパイスメニューやタンドール料理を提供している。

  • ゆい

    ずっと気になっていたお店だったので、今日来れてうれしいです。

  • 駿平

    おつまみメニューも豊富にあるんですね。このジャガイモが入った料理、初めて食べましたが、めっちゃ美味しかったです。

「スリランカのカツオ じゃがいも黒胡椒煮」(800円)

  • ジョミ

    これは、「黒胡椒煮」といスリランカ料理で。2年前に現地でホームステイした家のお母さんに教えてもらった料理です。本当はカレーと一緒に食べるものなんですが、向こうで食べたときに一品料理としても全然いけるなって思って。本来はジャガイモは入れないんですが、アレンジで入れています。葉っぱはカレーリーフです。

キッチンから香ばしいいい匂い。コチラの料理は、ケイジャンスパイスでミックスナッツを炒めた「酔っ払いのためのローストナッツ」(400円)。

キッチンを覗くと奥にタンドール窯が。この窯を使って、自家製のナンや串焼きも提供しているのだそう。インド・スリランカ系のカレー店ではよく見かけるナンだが、日本人が営むスパイスカレーでは珍しい。通常はオーブンで焼き上げるナンだが、「スパイスアワー」では、熱した窯の内側にナンの生地を張り付けるスタイルで焼いている。

  • 器用に生地を手で伸ばし、窯に張り付けて数分したら、鉄の棒で取り出すカナさん。

  • 互いにナンの焼き上がりをチェックし合う二人。「うまく焼けたね!」とジョミさん。

  • こちらがナンとの相性抜群の「定番 バターチキンカレー」(900円)

話を伺うと、ナンだけでなく、カレーもそれぞれに味を競い合っているのだとか。

「私が『定番 バターチキンカレー』を担当していて、『定番 シャバいチキンカレー』はジョミが作っているんです。お互い負けじとお美味しいカレーを作ってます」とカナさん。

営業しながら二人で切磋琢磨し続ける二人は単なる仲の良いパートナーだけでなく、ライバルと認めあう二人の料理人でもあるのだ。

「忙しい時はコンロは奪い合いになるんですよ(笑)」と笑う、仲の良い二人。

  • ジョミ

    お味はどうですか?

  • ゆい

    今まで食べたナンで一番美味しいかも?!

  • 駿平

    めちゃくちゃおいしいです。プライベートでもまたすぐ来ます!

駿平くんが頬張っているのが「定番 シャバいチキンカレー」(900円)。水分多めでよく煮込んでおり、ジョミさん曰く”飲めるカレー”。取材の3日後、彼はこの味が忘れられず本当にすぐさま来店したのだそう。

📍 店舗の紹介記事はこちら

メ有リー

最後に訪れたのは、駿平くんが最近おすすめの飲み屋としてレコメンドしてくれた、2025年にオープンしたばかりの居酒屋「メ有リー」。同じく栄エリアで若者を中心に人気の立ち飲み居酒屋「イム」で飲食経験を積み、独立前に福岡の有名店でも修行を積んだという、森太生さんと久保田航平さんの二人が共同オーナーを務める店だ。


「いつでもおいしい料理が食べられること」が店のモットー。営業時間は、なんと朝4時まで。そんな彼らが作る料理は決して手を抜かない。出汁ベースのやさしい味わいの大根の唐揚げも、前菜で出している豆腐もすべて手作り、というこだわりよう。

  • 自分たちが働いていた店が2時までだったので、そのあとに行ける店があまりなくて。だから深夜でもちゃんとご飯を食べられる飲み屋を作りたかったんです。

  • 久保田

    料理は出汁にこだわってます。あと、できる限り自家製のもので提供していますよ。前菜の盛り合わせで出した、この豆腐も自家製です。

  • ゆい

    え、すご!豆腐って自家製で作れるんもんなんですか?!

  • 久保田

    作れるよ。作り方教えよっか?(笑)。

  • ゆい

    え!いいんですか?そんなことして。

  • 久保田

    「レシピなんてどんだけでも教えてもいい。料理は腕だから」って、キムタクがドラマで言ってた(笑)。

  • ゆい

    かっこいい!(笑)。

「まさか一緒に飲食店をやることになるとは思わなかった」と笑う二人は実は幼馴染み。森太生さん(写真左)、久保田航平さん(写真右)。

「常に新メニューを考えている」という二人。「前の職場(イム)で学ばせてもらったことは、いろんなお店へ食べに行って勉強させてもらうこと」だったと話す森さん。もともと人と話すこととお酒好きが高じて焼酎の世界にのめり込んだという久保田さん。どちらも研究熱心で、営業時間外もスタッフを含めた4人で、アイデアを持ち寄って日々メニューのブラッシュアップを行っているのだそう。

  • 一品一品丁寧に作られた「おつまみ盛り合わせ」(6種1650円)。少しずついろいろつまみながら飲むなら、まずは頼みたいメニュー。

  • 写真左から「大根の唐揚げ」(600円)「カラスミと桜エビの塩焼きそば」(1350円)。どちらも駿平くんが一度食べただけで虜になったという一品。

  • うちは遅くまでやっててご飯があるから、この辺りの飲食関係の人たちも営業時間の前後に食べにきてくれるんですよ。そういう意味でも、手は抜けないっすよね(笑)。

  • 駿平

    意外と栄エリアにこういう深夜食堂的なお店なかったんで、僕らもありがたいです。またみんなで夜走った後とかに来ますね。

  • ゆい

    絶対また来ます!豆腐の作り方も今度しっかり勉強させて下さい!

最後はみんなで乾杯!今日も1日お疲れ様でした!

📍 店舗の紹介記事はこちら

あなたも春めく名古屋の街を走りながら、街の気になるスポットを巡ってみては?

GUIDE

小川駿平

小川駿平

COMMON LANDSCAPE/YELLOW Vintage Store

古着のメッカ・大須エリアに自らの店「YELLOW Vintage Store」を独立開業。アメリカでの買い付けもすべて自ら行っている。総勢30名の名古屋のランコミュニティ「COMMON LANDSCAPE」も務める傍ら、DJ活動も行うなど昼夜ともに活発に活動中。

武部敬俊

武部敬俊

「LIVERARY」「YOURCITYISGOOD?」編集部

編集者。1983年生まれ。これまでさまざまな編集プロダクション、出版社に勤務し編集ノウハウを学ぶ。2013年よりWebマガジン『LIVERARY』を仲間たちとともに始動し、名古屋を拠点にカルチャートピックを日々発信・提案し続けている。メディアの編集・運営のほか、イベントの企画制作、ショップのプロデュース、広告物や物販のグラフィックデザイン、アートワークまでを手掛け、広義における編集者として活動中。2025年、新しい視点を持ったカルチャーシティガイド『YOUR CITY IS GOOD』に、企画・編集として参加。

ITS ALL AROUND YOU Selected by LIVERARY

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