いつでも安心できる食事と、
今日を肯定する一杯を。
繁華街の喧騒から少し離れ、隠れ家的なビルの地下1階を進んだ先に広がるのは、カジュアルでアットホームな空間。ユニークな店名の「メ有リー(メアリー)」は、「酒の肴有り、話の肴有り、1日の〆有り」の3つの意味を込めている。
店を共同経営する森太生さんと久保田航平さんは、小学校からの幼馴染。5年前から栄・矢場町の居酒屋「社交酒場イム」の系列店で一緒に働くなかで「自分たちの店を持ちたい」という夢が生まれ、名古屋、福岡の人気店で修業へ。そして、お互いの経験と酒場好きな感性を掛け合わせて、2025年末に念願の独立開業。
「メ有リー」が狙うのは流行の“映え”ではなく、「当たり前においしいものを出したいという思いが一番あります」と森さん。深夜帯でも料理の手を抜かないことも、その姿勢の表れだ。
コンセプトは「今日を肯定する一杯」。嫌なことがあった日も、ここでご飯を食べ、酒を飲み、「まあいっか」と思える場所。近隣の同業者が営業後に立ち寄ることもある。この界隈で深夜営業といえば、チェーン店の選択肢が多くなりがちだが、気の利いた個人店はありがたい存在だ。
おつまみ盛り合わせ(6種1650円)は、まず最初に注文したいスピードメニューの大定番。少しずついろいろつまみながら飲むのに最適だ。内容はその時々で異なり、この日は燻製マグロのポテサラ、明太子ととびこのスパサラ、出汁トマト、自家製冷奴、長芋とわさびの短冊、人参ラペ。九谷焼や瀬戸焼など、料理を引き立てる器にも注目を。
手作りであることを徹底した、
和洋折衷のアイデア料理。
メニューを見ると、「燻製マグロのポテサラ」「明太子ととびこのスパサラ」「牡蠣のおでん」「セセリエスカルゴバター」など、気になる料理の数々に食指が動く。仕込みは出汁を引くところからはじめ、豆腐やエスカルゴバターも自家製。洋風アレンジによるオリジナリティと、ほっと落ち着く飽きの来ない和テイストが重なる「メ有リー」ならではの味は、酒好きの二人が手掛けているから、その相性も申し分なし。
約20種類の焼酎は麦と芋を軸に、バナナやライチ、山椒といったさまざまな風味のもの、トマト焼酎など個性的な銘柄も揃え、ナチュラルワインやクラフトジン、日本酒も少数精鋭で並ぶ。カウンター越しで、店長の久保田さんと会話しながらおすすめを提案してもらうのも楽しみの一つだ。
ノンアルコールだけで深夜食堂のように利用するも良し、飲んだ後の2軒目以降にがっつり食事を目当てにするも良し。旅行者が夕食がてら訪れ、深夜の締めくくりに再来店したというエピソードからも、この店の居心地の良さがうかがえる。グランドメニューに加え、季節の食材を生かした新メニューも続々と登場。何度でも扉を開けたくなる、新たな名物店になりそうだ。
Photo:TOMOYA MIURA
Interview & Text:MIKI MURASE(MAISONETTEinc.)
Edit:TAKATOSHI TAKEBE (LIVERARY)
INFORMATION
メ有リー
栄の地下に誕生した、
絶品深夜食堂兼酒場。
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📍 名古屋市中区栄3-20-9 佳陽ビルB1F
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🕐 18:00 - 28:00 (無休)
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☎️052-251-8760
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instagram :
@mary_nagoya
GUIDE
小川駿平
COMMON LAND SCAPE/YELLOW Vintage Store
栄の人気店「社交酒場イム」で経験を積んだ二人が作る創作料理はどれも手が込んでいて新鮮。
地下とはいえ、彼等の軽快なトークを相まって風通しの良いお店です。
古着のメッカ・大須エリアに自らの店「YELLOW Vintage Store」を独立開業。アメリカでの買い付けもすべて自ら行っている。総勢30名の名古屋のランコミュニティ「COMMON LANDSCAPE」も務める傍ら、DJ活動も行うなど昼夜ともに活発に活動中。
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instagram :
@yellow_vintage_store
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@common_landscape