FUKUOKA

CITY

金時 Kintoki

食べるたびに元気になる、
旬の手料理と手巻き寿司。

おいしいはもちろん、
体が喜ぶ料理を。

手巻き寿司と手料理の店「金時」。無垢の木でできたドアを開けると店主の福里舞さんが笑顔で迎え入れてくれる。かしこまった寿司店ではなく、思うがままに⼿巻き寿司を頬張りながら、会話や食事を楽しめる場所を作りたい。そんな思いからこの店は始まった。


「自分が作るもので、健康になったり、楽しくなってくれる人がいたら嬉しいと思って」と話す福里さん。小学生の頃から台所に立ち、家族みんなのご飯を作るのが好きだった。幼い頃に病気で亡くなった父への思いもあり、食べることが人の元気につながる感覚を大切にしてきた。


その思いは、店の料理にしっかりと込められている。気軽に食べられる手巻き寿司をメインに、旬の食材を使った手料理やおつまみが並ぶ。お寿司を頬張って嬉しく、季節のものを食べて元気になる。食べたあとはいつも、体が少し喜んでいるような気がする。


「その日に仕入れた野菜を触っていると、私自身も元気になる気がするんです」。 と話し、安心できる味のなかに、少しだけ特別さを取り入れることを意識してメニューを考えている。そんなやさしくも力のある味わいが、「金時」の料理にはある。

丁寧な仕事と
肩肘張らない空間。

福里さんが本格的に料理の世界に入ったきっかけのひとつが、20代後半から8年ほど働いていたオーガニックレストラン「ニコレ」での経験。食材と誠実に向き合う姿勢、丁寧な下ごしらえをすること。例えばアスパラガスは立てて保存すること、野菜を新聞紙に包んで保存することなど、どれもシンプルなことだが、その積み重ねは味を大きく左右する。


その後、スパイスカレーとお酒を楽しめる「Lille Curry Bar」で店長をつとめた経験から、料理に加え、お酒を楽しめる空間も大切にするようになった。旬の食材を丁寧に扱うことと、肩肘張らずに飲んで食べられる空気。その両方が、「金時」という店を形づくっている。


店の中心にあるのは無垢の木でできたカウンター。お客さんと過ごす時間とともに刻まれる傷や⾵合いを、福里さんは店が育っていく美しさとして楽しんでいると話す。おいしいものがあることで会話が生まれ、時間が広がっていく。金時には、そんなにぎやかで温かな空気が流れている。

  • この日のおすすめの手巻き寿司「イカの卵黄じょうゆ」。気取らず頬張れる、金時らしい一品。

  • サクッと軽く、ふわっと揚げられた「イカ下足のさつま揚げ」。お酒のアテに必ず頼みたい。

  • おつまみメニューのスパイスを活かしたファラフェル。ナチュールワインとの相性も抜群。

  • 店内に飾られた、高岡周策による作品。カセットテープに太巻がコラージュされた、遊び心のある一枚。

  • 黒板には、旬の食材を使った手巻き寿司やおつまみが並ぶ。文字を眺めているだけでも、季節の気配が伝わってくる。

  • カウンターの前に並ぶ、旬の野菜たち。取材に訪れたのは5月中旬。そら豆やアスパラなどの鮮やかな緑が、無垢の木のカウンターによく映えて美しい。

Photo:Shintaro Yamanaka(Qyum!)
Interview, Text:yae
Edit:TISSUE Inc.
Edit & Direction:Takatoshi Takebe(LIVERARY)

GUIDE

yae

yae

「店主の空気感に安心しながら、おいしいひとときを過ごせます」


1997年東京生まれ。ニューヨーク州の山奥と海沿いで4年間の高校時代を過ごし、帰国後は循環を題目に取材や制作を開始。 より土に近い環境を求め2021年に九州に移住。

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